Research 2026/06/14
核融合スタートアップ、2025年の資金調達マップ
核融合は「研究」から「産業」へ。2025年、民間核融合への投資はかつてない規模に達した。Fusion Industry Association(FIA)の最新レポートをもとに、お金の流れを整理する。
業界全体:累計100億ドルが目前
FIAの「Global Fusion Industry Report 2025」(2025年7月公開)によると、直近1年間(2024年7月〜2025年7月)で民間核融合企業が調達した資金は約26.4億ドル。これは2022年の記録的な年に次ぐ、調査開始以来2番目の規模だ。累計では約97.66億ドルに達し、2021年から約5倍に拡大した。調査に回答した企業数も53社にのぼり、2021年の23社から倍増している。
突出するトップ3
Commonwealth Fusion Systems(CFS)は累計約30億ドルを調達し、世界の民間核融合投資のおよそ1/3を一社で占める。MITスピンアウトで、高温超電導(HTS)磁石を使う実証炉SPARCを建設中だ。
Helion Energyは10億ドル超を調達。試作機Polarisが1億℃のプラズマ温度を達成し、2025年7月には商用炉Orionの建設に着手した。TAE Technologiesは中性子を出さないp-¹¹B方式にこだわり、2025年4月には小型機「Norm」の成果をNature Communicationsに発表している。
方式の多様化
注目すべきは、トカマク一辺倒ではない点だ。球状トカマク(Tokamak Energy)、ステラレータ(Proxima Fusion、Type One Energy)、Zピンチ(Zap Energy)、磁化標的核融合(General Fusion)、レーザー慣性(Marvel Fusion、Xcimer)など、技術的アプローチは大きく分散している。投資家が特定方式に賭けるのではなく、分野全体に資金を振り向けている構図が見える。
政策も後押し
過去1年で、日本・ドイツ・中国・英国・米国・韓国・カナダ・EUが相次いで核融合支援策を導入した。中国は年間15億ドル規模の国家投資で「举国体制」を敷くなど、民間と国家の競争が世界規模で加速している。
出典: Fusion Industry Association「Global Fusion Industry Report 2025」, Canary Media, TechCrunch, 各社発表。数値は2025年時点の概算。
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