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海外動向 2026/06/03
米中の核融合レース——国家戦略と民間の競争
核融合の覇権をめぐり、米国と中国は対照的な道を進む。一方は民間の「多産多死」、もう一方は国家の集中投資。二つのモデルを比較する。
中国:国家主導の「举国体制」
中国は核融合に年間およそ15億ドルとされる政府資金を投じ、開発の全段階をカバーするインフラを整備している。研究炉のEAST、技術実証のBEST、デモ炉のCFETRと段階を踏み、ギガワット級の発電所を見据える。さらに「星火(Xinghuo)」と呼ばれる世界初の核融合・核分裂ハイブリッド発電所を2030年稼働目標で計画。国家が一つの方向に資源を集中させる戦略だ。
米国:民間主導の「many shots on goal」
対する米国は、多数のスタートアップが異なる物理方式で競い合う「多産多死」モデルが特徴だ。CFS、Helion、TAEをはじめ、トカマク・FRC・レーザー・ステラレータと多様な賭けが並走する。DOEはマイルストーン型の支援や、慣性核融合のパイロット候補(Focused Energy、Xcimer)選定で民間を後押しする。勝者を国が選ばず、市場と技術的成果に委ねるのが米国流だ。
どちらが勝つのか
集中投資は速度と規模で勝るが、賭けが外れたときのリスクも大きい。分散投資は多様性と柔軟性に富むが、資本効率は読みにくい。どちらのモデルが先に「商用化」というゴールに到達するかは、今後5〜10年の最大の見どころになる。
日本の立ち位置
日本はITERやJT-60SA、LHDといった研究基盤と、京都フュージョニアリングやEX-Fusionなどの民間勢を併せ持つ。国家戦略と民間の双方を活かせるかが問われる。
出典: The Hill, IGCC, RAND, Fusion Industry Association, ANS をもとに編集部作成。数値は2025年時点の概算。
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