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Explainer

Explainer 2026/06/10

核融合ビジネスとは何か——研究から産業へ

長く「30年後の技術」と言われ続けた核融合が、いま投資家とスタートアップの主戦場になりつつある。何が変わったのか。

核融合とは

核融合は、軽い原子核どうしが融合してより重い原子核になる反応で、その際に莫大なエネルギーを放出する。太陽が輝く原理そのものだ。核分裂(現在の原子力発電)と違い、暴走の危険が原理的に小さく、高レベル放射性廃棄物も大幅に少ない。燃料となる重水素は海水から得られ、事実上枯渇しない。

なぜ「いま」ビジネスになったのか

理由は大きく3つある。第一に、高温超電導(HTS)磁石の進歩で、強力な磁場を小型の装置で実現できるようになった。装置が小さくなれば建設費も下がり、民間が手を出せる規模になる。第二に、計算機シミュレーションとAIがプラズマ制御や設計を加速した。第三に、脱炭素という巨大な市場ニーズが、長期リスクマネーを呼び込んだ。

多様なアプローチの競争

商用化の道は一つではない。ドーナツ型のトカマク、ねじれたステラレータ、筒状に圧縮するZピンチ、レーザーで燃料を爆縮する慣性方式——各社が異なる賭けをしている。どれが最初にゴールするかはまだ分からないが、「複数の有力な道がある」こと自体が、この分野の厚みを示している。

ビジネスとしての論点

投資家が見るのは、純粋な物理の成否だけではない。実証から商用炉までの資本効率、サプライチェーン(超電導線材や特殊部品)、規制と立地、そして電力会社との売電契約(PPA)だ。HelionがMicrosoftと電力供給契約を結んだように、「いつ・いくらで電気を売れるか」が問われる段階に入りつつある。

出典: Fusion Industry Association, IAEA World Fusion Outlook 2025, 各社発表をもとに編集部作成。

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