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Explainer 2026/05/10
ITERとは——35カ国が挑む史上最大の核融合実験
スタートアップの話題が増える一方で、核融合研究の土台を支えてきたのが国際協力プロジェクト「ITER(イーター)」だ。その役割を整理する。
世界最大のトカマク
ITERは、日本・EU・米国・中国・ロシア・韓国・インドの35カ国が参加し、フランス南部カダラッシュで建設が進む世界最大のトカマクだ。目標は、投入した加熱エネルギーの10倍(Q=10)の核融合エネルギーを生み出し、『燃えるプラズマ』を大規模に実証すること。発電そのものではなく、科学・工学的な成立性の証明が使命だ。
巨大ゆえの難しさ
100万点を超える部品を世界中で分担製造し、フランスで組み立てる前例のない国際事業ゆえ、スケジュールやコストの遅延も繰り返してきた。それでも、超大型超電導磁石やプラズマ制御など、ここで得られる知見は人類共通の財産になる。
民間スタートアップとの関係
近年の民間勢は「小さく・速く・安く」を掲げ、ITERとは対照的に見える。しかし両者は対立ではなく補完関係にある。ITERが積み上げる物理・工学のデータや人材が、スタートアップの挑戦を下支えしている。日本のJT-60SAやLHDなどの大型装置も、同じく研究基盤として重要だ。
『公共』と『民間』の二人三脚
国家規模の長期研究が土台を作り、民間が商用化のスピードを競う——この二層構造こそが、いまの核融合の加速を生んでいる。ITERの進捗は、業界全体の現在地を測る重要な指標であり続ける。
出典: ITER Organization, QST, IAEA の公開情報をもとに編集部作成。
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