Research 2026/05/16
核融合の『営業先マップ』——誰が誰に売り、誰が組むのか
核融合は一社では完結しない。需要家・サプライヤー・投資家・研究機関の4層がどう繋がっているか、相関を整理する。営業・提携の地図として使ってほしい。
① 需要家(誰が電気・熱を買うのか)
商用化の現実味を測る最重要レイヤー。CFSは Google(200MW購入)、Eni、Dominion Energy を顧客・パートナーに。Helionは Microsoft とのPPA、Nucor との顧客契約を持つ。Type One Energyは TVA と協力協定。需要家はビッグテック(データセンター電力)・電力会社・重工業に大別される。日本では関西電力・電源開発・INPEX が出資を通じて関与する。
② サプライヤー(誰が部品を供給するのか)
磁石用の高温超電導(HTS)線材が最大のボトルネック。Faraday 1867、フジクラ、古河電工、MetOx、Coherent がこの線材を担う。日本の重工は ITER 経由で実績を積み、三菱重工・東芝エネルギーシステムズ(TFコイル)・IHI(ダイバータ) が中核。装置がレーザー型なら光学・レーザー、慣性型なら高速スイッチなど、方式ごとに必要な調達先が変わる(→ Database で方式を確認)。
③ 投資家(誰が資金を出すのか)
Breakthrough Energy(ゲイツ)、Lowercarbon、Khosla、General Catalyst が常連。近年は NVIDIA など事業会社の戦略投資、SoftBank も参戦。日本では 三菱商事・三井物産 が連合を組み、官民ファンドの JIC 系も先端領域を狙う。投資家の顔ぶれは「どの企業が本命視されているか」を映す。
④ 研究機関(誰が技術と人材を供給するのか)
商用化の土台。MIT PSFC→CFS、Max Planck IPP→Proxima、大阪大ILE→EX-Fusion、核融合研(NIFS)→Helical Fusion のように、研究機関は技術と創業人材の源泉だ(→ Talent)。ITER は世界中のサプライヤーを鍛える「巨大な学校」でもある。
営業の地図としての使い方
自社が「部品サプライヤー」なら、CFS/Helionなど資金力のある先や、HTS需要の大きいトカマク勢が狙い目。「電力の買い手」を探すなら、PPA前例(Google/Microsoft)を参照に。資金調達なら、同方式の企業に出資した投資家を当たるのが定石だ。Partners のCSVを使えば、区分で絞ってリスト化できる。
出典: Fusion Industry Association「Supply Chain 2025」, 各社発表, 日経, 報道をもとに編集部作成。関係性は2025年時点の公開情報に基づく概況です。
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